インボイス開始後の交際費の判定について
東京都立川市の公認会計士・税理士の金森俊亮です。会計事務所を経営しています。
本日は8月21日付の週間税務通信で記事になっているインボイス開始後の接待交際費5,000円基準を話題にします。
概要
交際費の5,000円基準
交際費5,000円基準とは、そもそも税務上の取り扱いとして、一人当たり5,000円以下であれば、交際費からは除外されるというものです。5,000円を超えてしまうと交際費認定され、損金不算入の判定をすることになります。
インボイス導入前
インボイス導入前であれば、税抜処理を採用している会社は、会食した際の領収書で一人当たり税抜で5,000円、税込であれば5,500円以下であるかを確認すれば足りました。領収書の発行者が課税事業者かどうかを気にする必要はなかったわけです。
インボイス導入後
しかし、インボイス導入後は、インボイス発行事業者以外から領収書をもらった場合でも消費税はなくなります。そのため単純に5,000円以下かで判定します。
さらにインボイス導入直後には、特例として、インボイス発行事業者以外から仕入をした際も8割は仕入税額控除をすることができます。
この8割を考慮した上で5,000円以下かどうかを判定する必要があります。
そのため、2割の仕入税額控除できない部分を含めて5,000円にになるかが重要になります。
具体的には、消費税率10%のものであれば、税抜が一人あたり4,902円以下かどうかが基準になります。
税抜が一人あたり4,902円だと10%の消費税で490円、このうちの2割は控除できず、さらに本来の本体価格に含めるので、98円が本体価格に含まれて4,902+98で5,000円になるという計算です。
結構面倒ですね。3年後に経過措置の割合が変わった場合はこの計算も変わることになります。
最後に
最後に
本日の記事は以上となります。
以前の固定資産の際にも紹介したように、インボイス開始後は、インボイス発行事業者以外から仕入れて支払消費税として控除できないものに関しては、本体価格に含めることになります。
今回の交際費は非常に細かくなります。また、軽減税率の問題もセットとなる可能性もあり、非常に細かいです。もちろん対応していかなければいけませんが、少し面倒であることは間違いありません。ソフトがうまく対応しているものを選べると良いと思います。
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