インボイス制度下で銀行手数料を受取側が負担する場合の注意点
東京都立川市の公認会計士・税理士の金森俊亮です。会計事務所を経営しています。
本日は、開始が近づいてきたインボイスで、論点によくなっていた振込手数料の受取側負担に関する点を解説します。
銀行手数料の受取側負担の論点
どういった論点か
インボイス制度下では、仕入税額控除をする際にインボイスが必要です。買掛金等の支払いの際に、口座から振り込むと手数料が発生しますが、支払側であれば、手数料にかかるインボイスはすぐに入手することができます。
一方、受取側が負担することとなると、受け取った側は、何らかの形でインボイスを入手しないといけません。銀行から直接入手するといった方法がありますが、非常に面倒です。
売上に係る対価の返還等として処理をする
しかしながら、2022年の年末に公表された税制改正大綱にて、売上に係る対価の返還等では1万円未満の取引に関して、返還請求書等はなしでも問題としないことが明らかにされ、Q&Aでも記載がされました。
問題も
しかし、この方法には2つの考慮すべき点があります。
1つ目は、通常、銀行手数料は「支払手数料」として処理をします。しかし、消費税コード上は対価の返還等として処理をする必要があります。支払手数料に対して、その消費税コードを付すことができるかが考慮すべきです。
もう1つは、あくまで売上に係る対価の返還等ですので、対応する税率が、その売上に係る税率になる点です。そのため、軽減税率の売上の場合は8%になります。
この対応する税率を特定することが負担になる可能性があります。
いずれもシステム対応が可能かどうかが問題になります。
最後に
最後に
今回の記事は以上となります。
思った以上に面倒になっています。特に軽減税率を適用している場合は注意が必要です。対応できるかどうかは点検が必要です。
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