令和3年度サイバーセキュリティ対策促進助成金について

query_builder 2021/08/03
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東京都立川市の公認会計士・税理士の金森俊亮です。会計事務所を経営しています。
本日は、令和3年度サイバーセキュリティ対策促進助成金(以下、当助成金と言います。)について記事にします。

サイバーセキュリティ対策促進助成金

事業の目的

当助成金の目的は、中小企業者等が自社の企業秘密や個人情報等を保護する観点から構築したサイバーセキュリティ対策を実施するための設備等の導入を支援することによりセキュリティの向上を図り、もって東京都内の中小企業の振興に資することです。
中小企業では、サイバーセキュリティにまで資金を回すことは厳しいという側面もあります。しかし、企業秘密や個人情報の流出が発生すると企業の存続問題にまで発展しかねません。

こういった助成金を採用して、なるべく資金をかけずにサイバーセキュリティ関係の対策をしたいものです。

助成額及び助成率

当助成金は助成額の上限が1,500万、下限額が30万で助成率は1/2の助成金となっています。
そのため、最低でも60万、最高では3,000万までの投資が可能です。

要件

申請のための要件は合計で4つあります。

①中小企業社、中小企業団体、個人事業主のいずれかであること。

②独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPAと言います)が実施しているSECURITY ACTIONの2段階目を宣言し、宣言済みであることをホームページ等で確認できること。

③都内で1年以上事業を行なっていること。法人の場合は、東京都内に登記簿上の本店又は支店を有する。個人の場合は、開業届を提出して東京都内で営業をしている。

④その他の条件

上記のうち、特に②と④が説明が必要ですので、次以降に記載します。

SECURITY ACTIONとは

SECURITY ACTIONとは、IPAが策定した、中小企業自らが、情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。

IPAのページはこちら

情報セキュリティ5か条を確認した後に、5分でできる情報セキュリティ自社診断を実施します。
その後、情報セキュリティ基本方針を定めて、SECURITY ACTION自己宣言者サイトから申し込みをします。申し込みをすると、IPAで審査をしてもらい、晴れて自己宣言ができるようになります。
自己宣言ができるようになったら、名刺やホームページで表示することができるようになりますので、当助成金の条件になります。

その他の条件

その他の条件は以下を全て満たす必要があります。

  • 令和2年度以前にサイバーセキュリティ対策促進助成金の交付を受けていない
  • 東京都に法人事業税、法人都民税等を納付していて、未申告・延滞が生じていない。
  • 東京都又は東京都中小企業振興公社(以下、公社という)に対して賃料や使用料の債務の延滞がない
  • 営業に必要な許認可を全て取得している
  • 過去に公社から助成金を受けている場合は「状況報告書」等を期日までに提出している
  • 過去に公社、国、都道府県、区市町村等から助成事業の交付決定の取消等、又は法令違反等の不正の事故を起こしていない
  • 民事再生等、事業継続に関して不確実性が生じていない
  • 休眠会社ではない
  • 申請者か設備機器納入業者が暴力団関係者ではない
  • 東京都及び公社が公的資金の助成先として社会通念場適性を欠かないと判断できるもの
  • 申請者が風俗業、金融業、貸金業、ギャンブル業、賭博業及び農林水産業を営んでいない
  • 中小企業支援の制度趣旨から見て助成が妥当なものと認められること


少し条件としては多いように感じられますが、業種の問題さえクリアすれば、その他は特に難しいものはないと思います。

助成対象事業

助成対象企業の条件は以下の2つを満たすことです。

  1. 東京都内の自社の本社又は事業所への設置・利用をする。
  2. 次の機器、サービスの導入や更新を行うもの

統合型アプライアンス

ネットワーク脅威対策製品

コンテンツセキュリティ対策製品

アクセス管理製品

システムセキュリティ管理製品

暗号化製品

サーバー

上記製品群と同内容のサービスの利用

標的型メール訓練


いずれもサイバーセキュリティに対して必要な製品になります。

助成対象経費

助成対象経費は、以下の4つです

  1. 物品購入費
  2. 設置費等
  3. 委託費(ただし、標的型メール訓練にかかるもののみ)
  4. クラウドサービス利用料


それぞれの経費は、基本的に名称をご覧いただければ分かっていただけるかと思います。
クラウドサービス利用料は、最低契約期間分又は12ヶ月分のいずれか低い額が上限となります。
また、クラウドサービスでは1年未満での中途解約ができない、中途解約した場合でも返金しないという条項が必要です。

スケジュール

当助成金は、3回の募集が予定されています。1回目の募集は終了しており、9月募集、1月募集が今後控えています。

9月募集は、以下のスケジュールです

  • 予約受付 9月6日から9日
  • 申請受付期間 9月13日から16日
  • 交付決定日 11月1日
  • 助成対象期間 11月1日から2022年2月28日
  • 完了報告書提出 2022年3月14日


まだ少し余裕があるように見受けられますが、SECURITY ACTIONに関しては、完了まで1ヶ月くらいかかります。ですので、まだ対応できていない場合は、急いで対応しましょう。

申請方法

申請方法は、対面での提出のみとなっています。
予約期間中に、申請の予約を電話で実施し、提出日と時間を確定させます。
そして、予約日に秋葉原にある東京都中小企業振興公社本社に持参をして提出します。
提出に際しては、申請する企業の方が提出する必要があり、社外の人間ではいけません。

終わりに

終わりに

本日の記事は以上となります。

今は、ほぼ全ての企業でインターネットとつながる機器を使っていると思います。その上で、サイバーセキュリティは非常に重要な対策です。
しかしながら、サーバー構築等になれば非常に多額の金額がかかるのが特徴です。
ですので、こういった助成金を使いながら、安く導入していくことが良いと思います。

当事務所では、当助成金の申請サポートを実施しています。
ご不明点ありましたら、遠慮なくお問合せください。

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