小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型)における事業経費全般の留意事項について

query_builder 2021/06/19
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東京都立川市の公認会計士・税理士の金森俊亮です。会計事務所を経営しています。

前回までの5回の記事で、各補助事業経費について解説を行いました。

本日は、それらの経費、全般における留意事項を記事にしたいと思います。

経費全般における留意事項

①区分経理と証拠書類による金額確認

補助事業を実施するにあたり、既に別の事業を営んでいる事業者においては、補助事業は区分経理(部門経理等を用いて、資産負債の状況、損益の状況をわかるようにする)を行います。
また、補助対象経費は、当該事業に使用したものと明確に区分ができ、請求書等の証拠書類によって、金額等が確認できる必要があります。

1件あたり税込100万円超の発注では相見積もり

補助事業における発注先又は委託先の選定にあたり、1件あたり税込で100万を超える場合は、2社以上から相見積もりをとり、より安価な発注先又は委託先を選定する必要があります。

補助金が出る事業といえども、なるべく安く済ませるようにするのは、忘れないようにということです。

また、見積もりを取ることが困難で1社のみになった場合(これを随意契約といいます)は、その理由書を作成し、実績報告時に提出する必要があります。

中古品の購入は相見積もりが必須

中古品の購入については、金額にかかわらず、全て2社以上からの相見積書が必要になります。
中古品の場合は、随意契約は不可能で、補助対象経費として認められなくなります。

補助事業実施期間内の使用

補助対象経費は、補助事業実施期間中に「新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組」に要する費用の支出に限られています。
そのため、実際の経費の発生が期間中に行われていたとしても、事業実施が対象期間外であれば、補助対象となりません。
補助事業実施期間中に実際に使用し、補助事業計画に記載した取組をしたという実績報告が必要です。
ただし、今回の補助金には特例があります。それは、2021年1月8日以降に発生した経費は遡って補助対象経費とすることができます。

経費の支払方法について

補助経費の支払い方法にも注意点があります。

  • 補助経費の支払いは、原則として銀行振込になります。
  • 現金支払いのみの取引を除き、1取引で税抜き10万を超える取引の現金払いは認められていません。
  • 小切手・手形による支払いは認められていません。
  • 売掛金と買掛金の相殺は認められません。資金移動がされているというのを確認できる必要があります。
  • 仮想通貨、クーポン、ポイント、金券等の利用も認められていません。
  • クレジットカードの利用は補助対象期間中の引き下ろし、支払いの完了が確認できる場合のみ認められます。期間外だと経費として認められません。
  • 代表者や従業員等が個人のクレジットカードを使用する場合は、立替払いとなり、クレジットカードのルールに加え、事業者との間で精算が補助事業期間内に完了する必要があります。


色々と書きましたが、原則は仕入先に対して、銀行振り込みを行うことが原則ですので、それを基本的な支払方法とすることが良いと思います。

最後に

最後に

本日の記事は以上となります。

補助金は、非常に厳格に運用が求められることから、受け取る側の負担も大きくなってしまうのは仕方ありません。

特に、相見積に関しては、早め早めに動く必要がありますので、計画を立てて行動する必要があります。
補助金の申請について、お困りのことがあれば、遠慮なく税理士に相談ください。

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