小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型)における事業経費について③
東京都立川市の公認会計士・税理士の金森俊亮です。会計事務所を経営しています。
今回も前2回同様、小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型)の事業経費の解説を行いたいと思います。
雑役務費
雑役務費の概要
雑役務費とは、補助事業計画遂行に必要な業務・事務を補助するために補助事業実施期間中に臨時的に雇い入れた者のアルバイト代、労働派遣者の派遣料、交通費として支払う経費をいいます。
正社員の方以外に支払う給料関係です。
雑役務費の留意点
雑役務費の留意点としては、事業遂行の報告の際に「作業日報」や「労働契約書」等の提出ができることが条件となっています。
実際に雇っていたことを証明する必要があります。
雑役務費とならない場合
臨時雇入とみなされない場合、例えば世紀型の従業員として雇い入れるような場合は、補助対象とはなりません。
あくまでもアルバイトや派遣労働等で臨時の雇入である必要があります。
雑役務費のまとめ
雑役務費は、臨時の雇入であり、正社員として入社してもらっているわけではない点に注意してください。
また、補助対象事業に関わっている点も強調する必要があると思います。
中々、採用環境が厳しい状況下ではありますが、人手が必要な事業を行う際には、申請しておきたい経費だと思います。
借料
借料の内容
借料とは、補助事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料(所有権移転を伴わないもの)、レンタル料として支払う経費をいいます。
例えば、製品の製造の際に必要な機器をレンタルする場合等が該当します。
借料の留意事項
借料の留意事項は以下の2点です。
- 借用のための見積書、契約書等を締結し、確認できる状態にする。
- 契約期間が、補助事業実施期間を超える場合は、按分をし、補助事業期間中の経費のみ補助がなされる。
こちらも借料に関する資料の適切な保存や、期間についてしっかり確認する必要があります。
対象とならない借料
借料として、認めてもらえない経費は主に以下の2点です。
- 既存事業の生産活動のために使用するもの、補助事業以外に使用するもの
- 事務所等の家賃等
当たり前ですが、補助事業に使われないものは対象外です。
また、機器・設備が対象ですので、家賃や場所代も対象外となります。
借料のまとめ
借料は、補助対象事業のみにかかる機器・設備であることを適切に説明ができる必要があります。
また、対象も機器・設備であることを意識する必要があります。
専門家謝金
専門家謝金の内容
専門家謝金とは、事業の遂行に必要な指導・助言を受けるために依頼した専門家等に謝礼として支払う経費をいいます。
専門家謝金の留意事項
専門家謝金の留意事項は以下3点です。
- 新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に係る費用のみが対象となる
- 謝金の単価は、補助事業者が定める規定等により、単価が明確である。また、その単価は社会通念上妥当である。
- 謝金単価を補助事業者が規定していない場合は、国が定める謝金の支出基準を踏まえた基準により支出する。
特に、単価については、事前の準備が必要です。
定めていない場合も多いかと思いますので、国の支出基準を理解する必要があります。
国の基準は補助金事務局のホームページに参考資料が掲載されています。
対象とならない専門家謝金
対象とならない専門家謝金は、以下の2点です。
- 商工会議所職員に対する謝金
- 新たなビジネス、サービス、生産プロセスの導入等に係らない謝金
- 特に2番目については、他の事業に及ぼす可能性があるものは除外する必要があります。
専門家謝金のまとめ
専門家謝金は、限られた範囲の経費となります。
また、社内での規定の整備が必要となる場合もあります。国の基準での謝金も決して高いものではないので、専門家が渋る可能性もあるからです。
経費として申請できるかは、慎重に判断する必要がありそうです。
最後に
最後に
本日の記事は以上となります。
今回は3つの経費を紹介しました。
いずれも、全ての方が申請するとは限られない経費でしたが、申請される場合は、しっかりと準備をしたいところです。
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